「ご案内」に込められた願い
平成24年3月号掲載
立教200年に向かっての取り組みが発表された「ご案内」がお道づれ全戸に行き渡り、いよい「大祝祭」に“総参り”のおかげをいただく準備が整いつつあることと存じます。
「“総参り”の準備」 と申したのは、全国のお道づれが、ご先祖の“みたま様”とともに、そして家族・親族揃(そろ)って、平成26年の「立教200年大祝祭」に参拝できるように、「ご案内」の第1章「立教200年記念 先祖まつり」と第2章「立教200年記念 わが家の誓い」の奉告書の記入作成に、目下取り組んで下さっているからです。
家族、さらには親子の絆まで弱まり、地縁・血縁が薄らいだ結果、“個化”とか“無縁化”と呼ばれる時代になって、多くの人々が孤独に悩み苦しみ、心の繋(つな)がり(絆)を求めています。一年前の東日本大震災以降、その傾向は一層強まっているようです。
このような時代に、常にお守護(まも)りいただいている喜びと安らぎを得られる正しい信仰(お道)があること、そして、その信仰の心を同じくする仲間(お道づれ)がいるということは、本当に心強く有り難いことです。考えてみると、お道とのご縁、すなわち教祖宗忠様とのご神縁は、多くのお道づれの皆様にとって、ご先祖様の信仰に始まったものです。立教200年という世紀の大祝祭に、「報恩感謝の心で、ご先祖の“みたま様”とともに参拝できますように…」と呼び掛けられたのが「立教200年記念 先祖まつり」です。
さらに、もう少し考えてみると、信仰の元であるご先祖様の子々孫々を辿(たど)った時、元々はご神縁をいただいていたはずなのに、今や疎遠になっているご親族も少なくないと思います。「立教200年記念 わが家の誓い」には、信仰手厚いお道づれのご家族のみならず、疎遠になっている方々にも、「天照大御神様とご一体の“開運の神様”である教祖様とのご神縁を、200年を機にぜひ結び直していただきたい…」との願いが込められています。
個人情報に対する配慮が不可欠な時代ですので、「奉告書」という御神前にお供えする尊い芳名簿でも、記入を躊躇(ちゅうちょ)する方もいらっしゃるかと思いますが、本教の誠実さを信頼していただき、「教祖様とのご神縁を、より深めて、より広めて、より強めて、おかげを存分にいただかれますように…」と、切にご案内申し上げるものです。
ただ、地方の過疎化と高齢化、そして都市への人口集中が全国的に加速しているわが国の現状を考えた時、すべてのお道づれを各教会所だけでお世話しきれない現実が深刻になっています。将来的な観点から、教祖様とのご神縁をいただくすべてのお道づれを、本部と教会所の揺るぎない絆を元に、責任をもってお守りできるような体制づくりが必要不可欠です。「ご案内」の第1章と第2章は、同信同志が立教200年以降もさらに絆を強めて、より社会に役立つ教団であるための基礎固めとしても、非常に重要な取り組みなのです。お道づれ各位のご理解とご協力を、心からお願い申し上げる次第です。
ご承知の通り、「ご案内」は、第3章で「立教200年基金」が発表され、第四章で「立教200年神恩報賽(ほうさい)献金」が呼び掛けられています。昨今の厳しい経済状況にもかかわらず、まことに有り難いことに、実に多くの皆様の真心からのご浄財が寄せられています。尊いお道ごころに、心からの敬意と謝意を表するものです。
最後になりましたが、特別な思いで今年の3月を迎えました。未曽有の大惨事となった東日本大震災で犠牲となった御霊(みたま)の安寧と、すべての被災者の心身平癒・回復、被災地の復興、そして原発事故問題の早期解決を、改めて衷心より祈念申し上げます。