直会(なおらい)懇談会
平成23年7月号掲載
教主様と私(副教主)が“手分け”をして全国の教会所に上がらせていただく「立教200年奉祝推進・祈りの集い」が今年から始まりました。一昨年の冬至大祭に出された「趣意書」と昨年の教祖大祭にて発表された「ご案内」を元に、いよいよ“三年・千日”余に近づいて来た「立教200年大祝祭」を、教団を挙げて皆様と心一つになって、有り難く熱く盛り上がって迎えるべく、お道づれの皆様の心に“ 火(日)を点(つ)けて”回りたいと念願しています。
“火を点けて”などと申しましたが、教会所にお参りする度に“点火”されているのは、実は私の方です。毎回、閉会前の万歳発声に際して決まって申し上げる「やっぱり、お道は有り難いですねぇ… !」は誇張も偽りもない本音なのですが、今までの教会所巡拝以上に「本当に有り難い!」と感激させていただけるのは、「直会懇談会」によるところが大なのです。
神事(祭典と説教)の後に、“御神酒(おみき)”をいただきながら会食して懇親を深めるのが従来の「直会」ですが、「直会懇談会」ではお酒と料理は、あくまでも“おまけ”です。“御神酒”の代わりに、「有り難き、面白き、嬉(うれ)しき」の“御三喜(おみき)”の心でお道(黒住教)信仰の喜びを語り合うのがメイン・ディッシュ(ご馳走(ちそう))です。今まで御神前で恭しく行われてきた「体験発表」を、飲み物や食べ物を口にしながら聞き、さらに感想まで述べ合うということにいささか抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。私自身、実際に行ってみるまで多少の不安もありましたが、いずれの教会所でも思いもかけない有り難い話や面白い話や嬉しい話、最近の表現を使うと“美味(おい)しい話”を聞かせていただき、まさに「直会」すなわち「(心が)直(じか)に会う」時間です。
お参りされたお道づれと、お道の話を交わしながら心を通わせるという“お約束”以外は、形式(スタイル)も献立(メニュー)も、教会所に一切お任せです。事前に指名されて、準備した原稿を読まれても一向に構いませんが、発表が終わってそのまま“お役御免”にならないのが「直会懇談会」。当然のことながら、私からの“心の込もった突っ込み”を覚悟していただかないといけません。自己紹介だけで話が終わりそうな方もいらっしゃいますが、黒住教とのご縁の切っ掛けや、教会所での思い出などを伺うと、ご両親がおかげをいただかれた時の話や、手本としている舅(しゅうと)・姑(しゅうとめ)さんの信仰姿勢などが飛び出して、お道ならではの有り難さと温かさが満ち溢(あふ)れます。そんな中でも、やはり最も盛り上がるのは所長先生がしっかり仕切って下さる教会所です。お道づれの家族の近況や最近いただかれたおかげ話を踏まえて、「○○さん、副教主様に□□□のことをお話しして下さい…」と、言い訳無用の突然の“ご指名”とともにマイクが手渡されます。上手に話そうと考える暇さえありませんが、私が合いの手を入れているうちに、本人もびっくりの“いきもの(生きた話)”が飛び出したりするのです。
祭典を“第1部”、説教・講話を“第2部”、そして直会を“第3部”と勝手に称して、「個人的には第3部が1番!」などと、禁酒の教えを守る海外の他宗の友人に冗談を言ってきたものですが、「直会懇談会」を体験して、お酒や料理のあるなしに関わらず、“第3部”がいかに有り難いかを改めて実感しています。教主様や私が同席していなくても、お道信仰の真実体をお道づれ同士で分かち合える“御三喜”の満ち溢れる場として「直会懇談会」が教会所の恒例行事として定着することを願いながら、「立教200年奉祝推進・祈りの集い」に一層の道の誠を尽くしてまいりたく存じます。