教祖様との“繋(つな)ぎ手”になろう⑤ -「立教200年大祝祭」に向かって-

平成22年11月号掲載

 本稿を通じて、「教祖様との“繋ぎ手”になろう」と呼び掛けさせていただいている第5回として、今年4月3日の本部「教祖大祭」において発表された冊子「ご案内」に掲げられた取り組みの趣旨を紹介いたします。
 まずは所長・常勤教師各位がしっかり内容を把握して、その上でお道づれの皆様にきちんと説明ができるように、実はこの「ご案内」の始動のタイミングは各教会所に一任されていました。発表から半年が経過し、平成26年秋の「大祝祭」までいよいよ4年を切りましたので、そろそろ「黒住教立教200年を迎えるにあたって~悠久の歴史に足跡を~」と題された「ご案内」を私なりに説明して、一人でも多くのお道づれの皆様と「教祖様との“繋ぎ手”」として力を合わせて、“世紀の祭典”を迎えたいと念願しています。
 「ご案内」は第1章から第4章までの4部構成でまとめられていて、それぞれ「深めよう、教祖様とのご神縁」(第1章)、「広めよう、教祖様とのご神縁」(第2章)、「強めよう、教祖様とのご神縁」(第3章)、「教祖様、ありがとうございます」(第4章)という修行目標が掲げられています。
 第1章の「立教200年記念先祖まつり」は、「すべてのお道づれのご先祖様とともに、大祝祭にお参りしましょう!」を推進する取り組みです。ご自身が黒住教信仰の初代という方も当然多くいらっしゃいますが、現役のお道づれの大半が、教徒(家宗が黒住教)の方は元より、信徒(家宗が他宗)の方も、「かつて黒住教とのご神縁をいただいた先祖がいらっしゃるからこその信仰」という人々です。それでは、多くのお道づれにとって自らの信仰のルーツ(根っこ)であるご先祖の“みたま様”が、すべて大教殿祖霊殿に祀(まつ)られているかというと、残念ながらそうではありません。第1章の主眼は、教徒の方は本家・分家・新家の別なく各家族の代々のすべてのご先祖様を、信徒の方はかつて信仰なさっていたすべてのご先祖様を、専用の奉告書に明記して、教会所を通じて大教殿祖霊殿の側室に納めていただき、大祝祭を、ご先祖様とともにお喜び申し上げることです。
 第2章の「立教200年記念わが家の誓い」は、「家族・親族みんなで、大祝祭にお参りしましょう!」を推進する取り組みです。ただいま述べましたように、本教のお道づれには、代々の信仰を受け継いでいる方(結婚を機に信仰を始めた方も含む)と、自らがご神縁をいただいて信仰している方がいらっしゃいますが、すべてのお道づれが正式な入信手続きである「神文(しんもん)」を捧呈(ほうてい)して、教祖様の一門として名を連ねて御教えを学び、修行に励んでいらっしゃる訳(わけ)ではありません。この大(おお)らかさは今後とも大切にしたい本教の特性ですが、ややもすればお道づれ意識が希薄になりがちという点も否定できません。第2章の主眼は、お道づれの家族全員はもちろんのこと、教祖様とのご縁が薄らいでいる親族(分家・新家)にも声を掛けて、専用の奉告書に氏名・住所とともに願い事も明記の上、教会所を通じて大教殿にお供えして、たとえ直接参拝できなくても、大祝祭を、すべてのお道づれと共にお喜び申し上げることです。
 そして、大祝祭を機に子々孫々に至るまで教祖様にお守りいただける教団の基盤強化のための「立教200年基金」の設立と、その原資とさせていただく「立教200年神恩報賽献金」が提示されているのが第3章と第4章です。第3章の内容をご理解の上、ともにご恩返しをつとめさせていただくべく、まごころのご奉賛を私からもお願い申し上げる次第です。
 以上、第1章から第4章まで「お導きいただいて200年」を冠して、「教祖様とのご神縁」という“信仰の絆(きずな)”をいかに揺るぎないものにさせていただくかが、立教200年に向けた最も重要なメッセージだということをご理解いただけると思います。
 地縁・血縁という古来日本人が重んじてきた“信頼のネットワーク”が脆弱(ぜいじゃく)になり、個化とか無縁化という“孤独化”が加速すると同時に、利己主義(わがまま)と混同された個人主義がますます横行している、とても不安定な社会になってしまったと言わざるを得ない世の中です。「間違いなく教祖様がお守護(まも)り・お導き下さっている!」という絶対安心の確信を持てることは、今や個人にとっても家族・親族にとっても最高の喜びであると信じます。平成26年秋までの3年と数ヵ月、教祖様との“繋ぎ手”として、精いっぱいの誠を尽くしてまいりましょう。