ご分心をいためな。 -善人の罪を作るな。(御教語)
謹賀新年
「善人」とは、一般的な考えでは「善良な人」で、法律はもとより倫理・道徳の上でも罪を犯さない人のことをいいます。しかし、教祖神は「善人にも罪あり」と言われていて、「善人と呼ばれる人の中に『親殺し、主殺しに勝る罪を犯す人』がいるから、くれぐれも気を付けるように」と、厳しくご忠言になったこともあります。
人は、天地宇宙万物の総親神である天照大御神のご分心(わけみたま)をいただく神の子です。それを知らず、そのご分心を傷つけることが何よりも大きな罪であることを、教祖神は仰っているのです。
その昔、大泥棒として名を馳せた石川五右衛門の芝居を見た教祖神は「石川五右衛門の悪事は絶対に真似てはいけないが、あの心の強さは見習わなければならない」とお供の方にお話しになったそうです。
善人といわれる人の中には、心が弱くお人好しで、優柔不断な人がいます。また、心配性で絶えずびくびくして、心を痛めている人もいます。こうした人たちの多くは真面目なのですが、心を閉ざしてしまいがちで、自分を責めて〝陰気〟になり、ご分心を痛めているケースが多々あります。すると、「生かそう、育てよう、幸せにしよう」とするご分心のおはたらきを十分にいただけず、形の上でも良くないことが起こりがちです。「腹を立て物を苦にするが穢の第一」(御教語)とも、教祖神は御教え下さっています。
石川五右衛門のような強い心を持って生きるためには、ご分心のご存在を信じ自覚できるようにつとめていくことが大事です。そのための修行が「三大(日拝・お祓い・御陽気)修行」です。また、前述のような教祖神の御教えをしっかり学び、その御教えを日々の指針としてつとめ、実践できなければ素直に〝反省の誠〟を捧げ、繰り返し実践するように努力することが修行となります。
ご分心を痛めないように、「善人の罪を作るな」とのご教示を実践すべく、心を前向きに〝陽気〟に保ち、何事にも感謝と反省を忘れることなくつとめていくことが、おかげをいただく秘訣といえます。