天照らす神の御徳を世の人に
残らず早く知らせたきもの(御歌九号)
文化十一年(一八一四)十一月十一日(旧暦)の冬至の日、教祖神が御日拝をおつとめになっていると、光り輝く日の塊が飛び込んできました。教祖神は思わずその日の塊をゴクンと呑み込むと、天照大御神とご一体(神人一体)の境地になり、天地とともに生き通しの大御神様の大道を自得されました。本教では、この宗教的神秘体験を「天命直授」とお称えし、〝立教のとき〟としています。
天地宇宙の真理を体得した教祖神は、大御神様の大道を明らかにして、そのご神徳の有り難さを世の人皆に伝えることこそ、わが使命と心得られました。この御聖願(聖なる願い)は、教祖神の畢生(一生涯)の祈り・願いであり、黒住教の存在意義・目的といえます。その達成のために〝祈りと奉仕の誠〟を尽くすことが全道づれのつとめです。
「天照らす神の御徳」とは、天地万物が大御神様の御懐の中にあり、全てのものが大御神様に生み出されたもので〝ご神徳〟なのです。ご神徳は、この天地に満ち満ちていて、その有り難さに感謝し報恩の心で人に社会に、とりわけ病み悩み苦しむ人々に誠を尽くすことが、御聖願に沿い奉ることになります。
教祖神は天命直授によって「人は、大御神様のご分心(わけみたま)をいただく神の子」であることを明らかにして下さいました。こうした御聖願達成への祈りと奉仕によってお互いのご分心が養われ、ご分心を通じて大御神様の万物を生かそう、育てよう、幸せにしよう、完全にしようとするおはたらきを存分にいただけるのです。
また、教祖神の願いをわが願いとし御聖願達成を目指して努めることを、教祖神が誰よりお喜び下さいます。全世界の人々がご分心の存在に目覚めれば、まさに〝世界の大和と万民和楽〟が成就し、教主様が「告諭」にお示し下さっている「まることの世界」が実現することになります。
「謹みて天照大御神の御開運を祈り奉る 併せて御聖願達成を祈り奉る」を祈るとともに、その実践につとめてまいりましょう。