つき立てる心の柱太ければ
          千代もうごかぬ家と見えける(御歌一三八号)

 昨年と今年の二年間にわたる修行目標「活(い)かし合って取り次ごう! 暮らしの基本に〝敬神崇祖〟」を眼目として、今年も御(み)教えを学んでまいります。

 「人は、天照大御神のご分心(みわけみたま)をいただく神の子」との御教えが、教祖神の御教えの中核をなすものです。ですから、大御神様と私たち人間は〝親と子〟の間柄で、大御神様のおはたらきは、わが子たちに幸多かれと願う〝親ごころ〟そのものです。もとより、お互いのご先祖のおはたらきも全く同じ〝親ごころ〟で、教祖神はそこのところを「神ごころは親ごころ」(御教語)と御教え下さっています。

 ですので、神の子である私たちは、大御神様、ご一体の教祖神、そしてご先祖に〝孝養の誠〟を尽くすことが大事です。「忠孝は誠の第一。―忠孝なくては道は立たず」との御教語がありますが、お道信仰は孝心を養う道といえます。だからこそ、「敬神崇祖(神を敬い、先祖を崇(あが)める)」という「心の柱」をしっかりと家族皆に「つき立てる」ことが大切です。

 教主様には、本誌昨年8月号と10月号の「道ごころ」において「崇祖」また「敬神」の推進をお呼び掛け下さいました。

 親子が離れて暮らす現代の家族のあり方や生活環境の様変わり等に応じながら、何としても次世代、次々世代…へと繫(つな)いでいかなければならない日本人のアイデンティティー(自己の存在証明)は、この「敬神崇祖」の精神です。細分化・個別化がより一層に進行している今日(こんにち)、孤独・閉塞(へいそく)・不安感等により、心を陰気にしがちな現代人が、安心を得て心豊かによりよく生きていく上での基(もとい)となります。

 この10年来、祈る対象の無い一人暮らしの方等のために、御三神(天照大御神、八百萬神(やおよろずのかみ)、教祖宗忠神)とそれぞれの御宅のご先祖を記した「御(み)しるし」(木札)の拝戴を皆様に呼び掛けてきています。そして家族と共にお住まいのご家庭で、御神前を正しく祀(まつ)られていない方には、床の間の無い住居が多い今日ですので、神道山・大教殿の御分霊が奉遷された「額縁入り御神号」を祀って、しっかりとおかげを受けていただきたいものです。