日の本に生まれながらに日を知らず
枝葉にともすひをかりて見る(御歌162号)
平成25年1月号掲載
第62回伊勢神宮式年遷宮が執り行われる平成25年を迎えました。申し上げるまでもなく、日本の総氏神である“お伊勢様”の式年遷宮は、1300年もの昔から、20年に一度、分社・末社に至るお社(やしろ)や神具・宝物等のすべてが建て替えられ、造り替えられて、御神威が新たに蘇(よみがえ)り発揚されるべく営々と斎行されてきた、わが国最大にして最高の御祭りです。
日本人としてはもちろんのことですが、私たち黒住教の道づれは、ご生涯六度にわたって参宮された教祖・宗忠神の御姿を手本として、お伊勢様とのご縁を深くいただき、二代様時代の千人参り、明治の5回の萬人(まんにん)参り、そして昭和・平成の時代の萬人参りと、教祖神の御心を受け継いできています。とりわけ、今から39年前の昭和49年(1974)10月に竣工なった黒住教本部神道山・大教殿の御神殿部分は、前年の第60回式年遷宮で古殿となったお社の用材が大量に下賜されたものが用いられており、一層のご神縁をいただいています。こうした尊いご縁への報恩感謝の誠を捧(ささげ)るべく、私たちは前回の第61回式年遷宮に続いて、今回も日々の信仰運動である“ありがとうございます運動”の浄財を通してご遷宮への奉賛に挙(こぞ)って誠を尽くしてまいりました。
「神風や伊勢とこことはへだつれど心は宮の内にこそ在れ」(御歌96号)と、備前岡山の地にいても常に伊勢のお宮に御心を寄せておられた教祖神の心中を思うと、昨年11月の「神楽岡・宗忠神社ご鎮座150年記念祝祭」に始まり、いよいよ来年に迎える「立教200年大祝祭」、そして明後年の「大元・宗忠神社ご鎮座130年記念祝祭」までの、掛け替えのない“百年に一度”の「祭り年」の真っ只(ただ)中に身を置かせていただいていることの有り難さをひしひしと実感します。日の本に真っしぐらに進んでまいりましょう。
ありがたや我日の本に生まれ来て
その日の中に住むと思えば (御歌46号)