丸事は○事なり。これすなわち
天照大御神様の御心とご一体なり(御文二一一号)

 教祖神は「丸事は○事なり」とご教示下さっていますが、その「まること」とは真ん丸いこと、完全円満であって欠ける所がないということです。以前に本欄でも紹介してきていますように、この「まること」の「る」の文字が約まって「まこと(誠)」になったと示されました。そして、これはそのまま天照大御神様の御心とご一体であると仰っています。

 御文二一一号の今月の御教えの箇所に続いて教祖神は、「これをいためるをけがれと申すなり。けがれは気枯れなり。それゆえ、腹を立て物を苦にするを、けがれの第一とするなり。今日をさかいに、ご陰気をお去りなさるべく候」とお認めになっています。

 この御文(御手紙)の宛名は「一森御姉様」と記されていて、教祖神直門の一森彦六郎大人(岡山藩士、馬役・百二十石。文政七年〈一八二四〉の入門で、教祖神より二十七歳年若)の母君と思われます。

 この御手紙は短文ですが、その中に単純明快に大変重要なところをお示し下さっています。

 教祖神御教えの中核をなすのは「人は、天照大御神のご分心(みわけみたま)をいただく神の子」ですが、教主様がかねてお教え下さっていますように、このご分心は「元々の心」であり「元々の気」で、「元気」という言葉の元です。ですから、これを痛めることを穢れと言います。穢れは汚れ(汚い)という従来の観念ではなく、気枯れ(元気・陽気を枯らすこと)です。この気を枯らしてしまう一番の要因は、腹を立て物を苦にして心を痛めることです。

 今日、新型コロナウイルス感染症のために心を痛め、陰気な心になりがちですが、今こそ「元気を喚起」しなければなりません。教祖神の御教語に「心配はせよ、されど心痛はすな」とあります。また「陽気に成れ」「心は大盤石の如くおし鎮め、気分は朝日の如く勇ましくせよ」と御教え下さっています。

 「元々の気」を養うことで、免疫力がアップして〝心身の健康(元気)〟にもつながります。教祖神は、腹を立てず物を苦にせず〝有り難い陽気な心〟で暮らすことの大事をはっきりとお説きになっているのです。