ツイッター説教
「祓い」
教主 黒住宗道
令和になって、三日ごとを目安に「ツイッター」での発信を始めたことを本稿でもお知らせしましたが、「どのような話をしておられるのでしょうか…?」、「私たちにも教えていただきたい」というご要望にお応えして、七月の一カ月間、「祓い」をテーマに配信した文章を紹介いたします。
六月三十日、古来「夏越の祓い」・「水無月の祓い」と称されてきた「大祓」の日。全国の神社で「茅の輪」が設えられ、輪くぐり神事が行われる。
一年の折り返しに、前半の罪・穢れを祓って後半を迎える「大祓」を重んじてきた神道の伝統。
後半の日々も、お元気で!(六・三〇)
一年の折り返しに前半の罪・穢れを祓って後半を迎える夏越の「大祓」は「輪くぐり」のおかげで馴染みがあるけど、大晦日に一年間の罪・穢れを祓う「大祓」は知られていない。家の大掃除で、お参りどころではないからね…。
大晦日の「大祓除夜祭」で祓い清められた神社に初詣するから有り難いのです。(七・三)
暫く「祓い」の話。
ご存じないかも…ですが、古来、毎月一日と十五日の神社詣でが重んじられてきました。月の初日と中日の参拝が、年二回の「大祓」と同じ理由ってことは想像できますよね。
心あらたまって新たな月を迎え、前半の罪・穢れを祓って後半に臨む…。
節度と祓いが神道の無言の教えなのです。(七・六)
神道は「祈り=祓い」
例えば本教では、まず手水舎で清めて御神前に上がり、祓詞と大麻・塩水、また禊祓詞で祓い清めて、大祓詞を唱えてから、願意成就の祝詞奏上と御神徳のお取り次ぎ(祈り込み)。
以上が、ご祈念の流れ。
祓いに祓って清めに清めて…。
願い事は、最後の最後!(七・九)
神道は祓いの一言にあり。
祓いは神道の首教なり。
毎朝毎朝、生まれ変わった心地で日拝をせよ。
常祓いに祓えよ。
祓えどもまた祓えども祓えども 祓いがたきは出る雲かな
出る雲ただそのままに置きぬれば また晴るるとき待つぞ楽しき
(教祖宗忠神の教え)(七・一二)
「祓い」を重んじる理由
「人は皆、天照大御神(日の神)の分心(神の心)を、自らの心の神(本心・真心)としていただく神の子」で、人の潜在的な“神性”の元々のはたらき(元気)を遮る罪(積み積もる汚れ)・穢れ(気枯れ)を祓い清めさえすれば、日の光が差し込んで蔭(おかげ)は必ず現れる…と確信してるから。(七・一五)
私たちが雨でも雪でも曇りでも、毎朝日拝を欠かさないのは、直接目に見えないだけで厚い雲の向こうに朝日が昇ってることを知ってるから。
同じように、心の空を覆う雲・霧の向こう(奥)に間違いなく心の太陽(心の神)をいただいていると確信して生きるのが黒住教信仰。
ただ、すぐ立ち込める雲・霧…。(七・一八)
心は新鮮な生もの。
みずみずしくいきいきしてる時は良いけど、萎れやすく傷つき傷みやすいのも、生ものだから。
世の中の何でも全て、放っておくとゴミや汚れが付いて溜まって劣化する訳で、こまめな掃除・洗濯・メンテナンスが欠かせない。
常に「心の祓い」に心掛けないと…。(七・二一)
「自律神経が癌組織内に入り込み、交感神経の緊張が癌の増殖や転移に強い影響を及ぼすことを発見。自律神経を操作して癌を抑制する“癌神経医療”という新たな治療分野の可能性を示した」との、岡山大学他の連名によるプレスリリースが七月九日に配信された。
「心の祓い」に関する情報として紹介します。(七・二四)
祓い清めるべき「罪・穢れ」だけど、リサイクル(再利用)やリユース(再使用)でゴミが資源になるように、活かして用いて宝にもできる。
大切なのは、「一切神徳(全ておかげ)」と信じて、逃げずに対応すること。
「臭いものに蓋」が一番良くない。いつまでも念を残してしまう。
それが「残念」。(七・二七)
「笑い=洗い=祓い=和来」
宗忠神から「この部屋は陰気だから無理にでも笑いなさい」と指導された病人が、可笑しくもないのに笑おうとする滑稽な姿が行灯に照らし出された影を見て笑い転げ、駆け込んできた家族共々大笑いして完治したという逸話があります。
以上「和来話」でした。(七・三〇)
明治十四年発行の黒住教の教本「心の営養」。
「日々の営みを養う」という「営養」が「心」に用いられているのが新しい。
「此一冊は教祖宗忠神の養心法を授け給う…」と序文にあるように、黒住教は「養心法」、「用心法」、「心なおしの道」と呼ばれてきた。
現代に役立つ心の営養ツイートを心掛けます!
若い世代を意識した文章なので、本誌読者層各位には違和感があるかもしれませんが、熱心かどうかは別として毎回平均二千人の人たちが覗いてくれています。教主就任丸二年の本号の話題に相応しかったかどうか…ですが、「世の人に残らず早く知らせたきもの」との教祖宗忠神の御心をわが思いとして、楽しみながら発信し続けたいと思っています。「黒住教主」としてフェイスブックも始めました。そちらも利用者世代に“活かし合って取り次いで”いただきたく存じます。