萬まり心あわせて皇神の
みまえに集うことのかしこさ(萬人参りの時、三代宗篤様詠)
平成24年から4年間にわたった“祭り年”を有り難くつとめ終えた神恩感謝の奉告に、いよいよ今月、平成の御代二度目の「伊勢萬人参り」が執り行われます。当日は、教主様のご先達をいただいて内宮正面にて拝礼の後、神宮当局の特別のご配慮により、普段は閉鎖されている古殿地から、新宮を斜め前方に拝ませていただけるという有り難いお参りになります。教会所・教区単位での参拝計画が立てられていますが、当日集合場所(宇治橋前)にて参拝登録を行うこともできますから、掛け替えのないこの神機に、一人でも多くの方が萬人参りのおかげをいただかれますよう、ご案内申し上げます。
今月の御教えは、明治21年(1888)に行われた初めての伊勢萬人参りに際して、黒住教第三代黒住宗篤様が詠まれた御歌です。
明治9年(1876)の「神道黒住派」としての別派独立を端緒として、堰を切って全国に講義所・教会所が次々と誕生し、霊地大元は教団本部としての整備が進み、いよいよ明治18年(1885)4月18日に大元・宗忠神社がご鎮座、翌年には第一回の宗忠神社御神幸が欽行され、本教の名は全国各地に轟き、教勢は弥増しに増していました。しかしながら、わずか9歳で道統を継がれ、ご結婚後間もなく上京して3年間、「黒住講社」の公認を得るための粉骨砕身の努力によって別派独立の道を拓き、教団の礎を築いて下さった三代様は、万感の思いを込めてつとめられた「萬人参り」の翌年に、卒然とご昇天になりました。
三代様の遺志を継いで、伊勢神宮への萬人参りは、四代宗子様を中心に明治期に計5回執り行われ、昭和55年(1980)の教祖神ご降誕二百年記念として“復活”されてから、昭和59年(1984)の神道山ご遷座十年記念、そして前回の式年遷宮の翌年であり黒住教立教180年であった平成6年(1994)に挙行されています。本教の大切な節目に際して欠かせない行事が、「伊勢萬人参り」です。3月まで“推進月間”として呼び掛けられていますので、本部または教会所にお問い合わせの上、挙っておかげをいただいて下さい。