宗忠の神の教えは畏(かしこ)くも
日の大神の道にこそあれ(時尾宗道高弟詠)
平成27年3月号掲載
立教二百年を記念して、冊子「The(ザ) Sun(サン) Century(センチュリー)-サン世紀を迎えた日拝の宗教-」(副教主様編著、日新社発行)が発刊されました。
正に今月の御教えの通り、教祖宗忠神の説き明かされた教えは「日の大神の道」です。“お日様教”と名乗れるほど、“日神(ひのかみ)(日の大神)”を中心にその信仰(祈りと教え)と歩み(歴史と活動)を語り切れる宗教は、世界中で黒住教だけと申し上げても過言ではありません。
まず、御日拝に始まる日々の祈りと、洋の東西を問わず“太陽の誕生日”と称(たた)えられてきた冬至の日の本教にとっての重要さ、そして“日の教え”といえる神観・人間観・世界観こそ、新刊冊子に紹介された主たるところです。さらに、大層なことを申し上げるようですが、無限の宇宙空間の中で唯一いのちに溢(あふ)れる太陽系の地球という奇跡の星の中で、古来“日の本つ国”と称えられてきた日本の“晴れの国・岡山”を拠点に、“お日の出の郷(さと)・神道山”で、御日拝を祈りの中心とする宗教です。また、立教百六十年を神機に、古来地元の人々から「神道山」と敬称されてきた古代吉備王国の神奈備(かんなび)山(やま)(神霊の鎮まる山)に大教殿が遷座された所以(ゆえん)が、「壮大なお日の出を求めて」であったことも、“お日様教”なればこそのことと申せます。
「自らが何者であるかを理解するための『アイデンティティー(自己の存在証明)』と、他者に自らを伝えるための『アカウンタビリティー(説明の義務・責任)』が、グローバル(地球規模)社会では必要不可欠」なのだそうで、民族や宗教の混在する世界のほとんどの国々では、自分の信仰こそ「アイデンティティー」と「アカウンタビリティー」そのものとして最重要視されているようです。対立や紛争の原因と見なされがちですが、相互理解のために今後一層必要になるのが、私たち日本人が今まであまり意識することのなかった「アイデンティティー」と「アカウンタビリティー」という拠(よ)り所(どころ)です。
私たちには、教祖神が明確に説き示して下さった信仰の礎(いしずえ)があるという有り難さを、どうぞ心に刻んでおいていただきたいと思います。