天照大御神の御国に生まれたることを
有り難しと思うべし(御教語)

御七カ条(本誌表紙裏に記載)は、教祖神の御瀬踏に倣い御教えを実践する上での根本であり、教書の巻頭に掲げられています。「御訓誡」また「御神誡」七カ条とも申し上げます。

 教祖神の門弟(お道づれ)となってお道信仰をつとめる人は、まずもってこの御七カ条を日々拝誦して、その旨を守ろうとするようにお誓いし、実践していくことが肝要です。

 周知の通り教祖神はご幼少の頃から近隣でも大変な親孝行として知られ、〝中野(今日の岡山市北区上中野)の孝子〟と称えられていました。成長していくとともにその孝心は強く深くなり、青年期に至ると、神となって世の病み悩み苦しむ人を助けることが最高最大の親孝行であると思うようになられました。そして二十歳ばかりの頃〝生きながらの神になろう〟と強くご立志になりました。

 ご立志になってからは、心に悪いと思うことは絶対に身に行わないように努めるため、ご自身の生活の戒めとして〝五カ条〟を作られました。表現は多少異なってはいますが、その五カ条に「腹を立て物を苦にする事」(第二条)と「日々有り難き事を取り外す事」(第七条)を加えられたのが御七カ条です。

 御七カ条は、教祖神が〝千日の御参籠〟(文政八年・一八二五~十一年・一八二八)を経て、ご神意を得て制定されました。教祖神は、ご両親の相次ぐご昇天を悲しみ心を痛めたことが元で死の淵に立ったことを猛省され、この二カ条が加えられたものと拝察します。

 その第一条「神国の人に生まれ常に信心なき事 恐るべし恐るべし」は、全カ条の中心をなすものです。神国とは、天照大御神のご神徳に育まれている所という意味で、天地宇宙の親神である大御神様の御恵みによって守られ導かれ生かされて生きているお互い人間が、大御神様に対する感謝と信心を忘れてはならないのです。とかく自力で生きていると勘違いしがちな現代人が、常に忘れてはならない心情が「おかげさま」の心といえます。大御神様のご神徳の中に生まれてきたことを「有り難し」と感謝することが開運の基です。