ブラボー! チームJAPAN
教主 黒住宗道

 早いもので、令和五年も師走を迎えました。五月八日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が「五類」に移行されて以降、〝コロナ前〟の日常生活が怒濤の勢いで戻ってきました。すぐに〝当たり前〟として受け流して(スルーして)しまいがちな無数の有り難さをしっかり受け止めるためにも、本稿の一月号と七月号で申し上げた〝要心〟を「くれぐれもお忘れなく…」と、自らに言い聞かせる心づもりで繰り返しておきたいと思います。

 本誌「先の月のお参り」でも紹介されていますように、各地からの「神道山 大まいり」も次々と実施されるようになり、前晩に大元鍋を美味しくいただいて懇親を深め、翌朝の御日拝から神道山の神域を心ゆくまで有り難く参拝していただく〝イッパイ・ニッパイ・サンパイ〟のフルコースも盛んに行われるようになりました。私も、都合のつく限り〝イッパイ〟からご一緒させていただくようにしています。まさに直に会って心通わせる「直会」は、飛沫を恐れて三密を避けていたコロナ禍中は最も〝要慎〟すべきことでしたから、尚更その楽しさ嬉しさ有り難さが身に染みます。つい調子に乗って〝腹イッパイ〟にならないように、ここでも〝要心〟が肝心…と自戒しています。

 ご存じのように、「『立教二百十年・神道山ご遷座五十年記念祝祭』に、家族・親族・友人・知人をお誘いする際に、『アノ神道山にまた参ろう!』と声を掛けていただけるように、まずは少人数で構わないから様々なグループで度々お参りしましょう!」と呼び掛けてきたのが「神道山 大まいり」です。コロナ禍により予定通りに事は捗りませんでしたが、最近頻繁にお迎えする度に「アノ神道山にまた参ろう!」と繰り返してきたことを話しておりましたら、ある方から「教主様の〝アノ〟 は、(阪神タイガースの)岡田監督の〝アレ〟より古い…」と言われて大笑いしたことです。

 会って話して笑える喜びを実感しながらあらためて思うことは、暗闇の後に迎える夜明けの感動や寒い冬を経て訪れる春の歓喜に誰もが至福を感じるように、コロナ禍の不自由さや苦しみによって、その感激と感謝の念が一層際立たされることです。その最たる出来事が、一年前のワールドカップ(サッカー)を皮切りに各種目で立て続けに開催された、スポーツの世界選手権大会で日の丸を背負って闘ったチームJAPANの大活躍でした。

 今月の「道ごころ」は、サッカー日本代表の長友選手の熱い〝雄たけび〟を思い起こしながら「ブラボー! チームJAPAN」と題させていただきました。昨年の今頃といえば日本はまだ〝禍中〟でしたが、海外(中東カタール)の盛り上がりに「コロナ禍明け近し…」を実感しながら〝サムライブルー〟の活躍に胸を躍らせたことです。そして、いよいよ春を迎えた三月に日本と台湾と米国を舞台に開幕した野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は、大谷翔平選手を中心とした〝侍ジャパン〟が見事世界一を奪還して日本中が沸き返りました。

 その後、全ての競技種目の列記はできませんが、サッカー女子ワールドカップで奮闘した〝なでしこジャパン〟、さらに世界陸上、そして日本(沖縄)とフィリピンとインドネシアで開幕したバスケットボ―ル ワールドカップで一段と盛り上がって、秋の世界体操、バレーボール ワールドカップ、そして熱戦が繰り広げられたラグビー ワールドカップの興奮冷めやらぬ私たちです。

 五類移行という日本の事情に合わせたはずはありませんが、実にタイミングよく様々な種目でチームJAPANの活躍を目の当たりにさせてもらい、熱く応援できたことは本当に有り難いことでした。放映権という〝大人の事情〟でテレビ局毎に話題が偏ってしまうのはいささか残念でしたが、私は、コロナで委縮した三年三カ月から元気を喚起してもらったと思っています。個人的には、それに加えて三十八年ぶりの阪神タイガースの日本一という思い掛けないプレゼントまでいただいた気持ちで喜んでいますが、あくまでも本稿はチームJAPANへの感謝を込めた「ブラボー!」すなわち「万歳!」「あっ晴れ!」「でかした!」「やったー!」の歓喜の叫びです。

 思えば、コロナ禍中に、一年延期までして開催された東京オリンピックから、年が明けると、はや三年。夏にはパリ・オリンピックが開催されます。以前に本稿でも述べましたように、「開催してもらえただけで有り難い…」という感謝の心を力にして闘った選手たちと、その熱き涙を目にした新たなアスリートたちが、満を持して照準を合わせているパリ五輪を、今からワクワクしながら心待ちにしています。

 申し上げるまでもなく、本教においては、明年はいよいよ立教二百十年・神道山ご遷座五十年の節目の年です。秋に行われる記念祝祭がコロナ禍明けの歓喜と感謝に満ち溢れた賑々しい大祝祭になりますよう、誘い合ってのご参拝をお待ちしています。